高度情報化社会の新しいビジネス戦略:FSP-Dモデル(山口真一)
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【運営からのコメント】
ソーシャルメディアの活用は、ほぼ全企業にとって必要なツールとなってきました。そこでは、今まで考えてこなかったようなネットワーク効果や炎上問題、そして集まったデータの活用方法などの力が必要です。何から手を付けたらよいかわからない人でも、まず理解することから始めることができる講義です。この講義後、興味がある分野をじっくり学んでいく形をお薦めします。
【講師紹介】
国際大学准教授。学位:慶應義塾大学博士
専門は計量経済学。研究分野は、ネットメディア論、情報経済論、情報社会のビジネス等。「あさイチ」「クローズアップ現代+」(NHK)や「日本経済新聞」をはじめとして、メディアにも多数出演・掲載。KDDI Foundation Award貢献賞、組織学会高宮賞、情報通信学会論文賞(2回)、電気通信普及財団賞、紀伊國屋じんぶん大賞を受賞。
主な著作に『正義を振りかざす「極端な人」の正体』(光文社)、『なぜ、それは儲かるのか』(草思社)、『炎上とクチコミの経済学』(朝日新聞出版)、『ネット炎上の研究』(勁草書房)などがある。他に、東京大学客員連携研究員、早稲田大学ビジネススクール兼任講師、株式会社エコノミクスデザインシニアエコノミスト、日経新聞Think!エキスパート、日本リスクコミュニケーション協会理事、シエンプレ株式会社顧問、総務省・厚労省の検討会委員などを務める。
【講師コメント】
近年における社会の高度情報化に伴うビジネス環境の破壊的変化を紐解きます。そのうえで、情報社会において持続的に発展できるビジネスモデル―FSP-Dモデル(〈フリー+ソーシャル+価格差別〉×〈データ〉モデル)―を学び、実際のビジネスで活用する方法を考えます。
【レベル】
初級~中級
【キーワード】
経営層・管理職・中堅・若手・起業家・営業・マーケティング・CS・収益拡大・業務効率化・販売促進・ブランディング・データ分析・戦略・ビジネスモデル・プラットフォーム
【分野】
計量経済学・データ分析
【この講義で目指すこと】
・ウェブを活用したビジネス戦略の基礎的考え方の習得
・ソーシャルメディアの発信と炎上の深い理解
・埋もれている自社データの有効的な活用方法の検証
【お薦め】
・経営層から若手まで、すべてのビジネスパーソンに必須のスキル
・ウェブサービスの導入を考えている方
・データの活用方法について検討している方々
第1回:情報社会ではなぜ「フリー」になるのか
FSP-Dモデルは、フリー・ソーシャル・価格(プライス)差別、そしてデータから考える新しいビジネスモデルです。この講義では、主にウェブのサービスで相当の機能を無料で提供する「フリービジネス」について解説します。YouTubeのように基本は無料で動画を見られるサービスは、フリービジネスの成功例です。 講義ではフリービジネスの5つの分類を解説し、成功のための戦略や、フリー時代に押さえておくべき経済法則も学びます。
第2回:ネットワーク効果と多段階価格差別
フリー(無料)のサービスの多くが活用する「ネットワーク効果」とは、ユーザーが増えれば増えるほどサービスの価値が向上することです。例えばLINEは多くの人が日常的に使っているから連絡手段として便利なのです。
ネットワーク効果が上手く働くためには、ユーザー数が一定の閾値を超える「クリティカル・マス」の達成が必要ですが、このプロセスを解説します。フリーのサービスで高利益を生み出す、「多段階価格差別戦略」についても解説します。
第3回:ソーシャルメディアのリスクと活用
ソーシャルメディアの発展により、誰もが不特定多数に発信できる「人類総メディア時代」が訪れました。インスタ映えのために高価な消費をするような、情報を「発信するための消費」も行われています。
このような時代には、SNSを活用したマーケティングが大きな効果を発揮します。 しかしそこには炎上リスクもあり、時に企業の存続にすら影響を及ぼします。講義では炎上の実態をデータから理解し、予防や対処についても学びます。
第4回:データ・エコノミーと情報社会の未来
製造業や農業においても、データの活用による効率的な生産が求められる時代が到来しました。さまざまな企業に、自社の強みとデータを活用したサービスの創出が求められていますが、日本ではその動向は遅れています。
発展の鍵は、「〈フリー+ソーシャル+価格差別〉×〈データ〉」というFSP-Dモデルの発想です。この講義ではFSP-Dモデルの活用や、今後の展望について解説します。