学問は、その性質上、ビジネスで強力に働きます。再現性があるので成功を再現できるし、失敗を再現せずにすみます。データから学べば、独善や思い込みに陥らずにすみます。私自身はオークション理論を不動産の売却に活用し、価格決定の透明化と利益の向上に努めてきました。
経済学には様々なツールが開発されています。米国では活用が注目されつつありますが、日本でまだその機運は高まっていません。ポール・ローマーは知識こそが経済成長の泉源だと論じ、2018年にノーベル経済学賞の桂冠に輝きました。知識を活用しないことは、日本社会の大きな損失です。
それなら自分たちで学知のビジネス活用を推し進めよう。市場を通じて社会に貢献しよう。そのように考える三人のトップ研究者とビジネスサイドの私が出会い、エコノミクスデザインの創業に至りました。研究者によるD2C(direct to consumer)がこの会社の特徴です。
折しも創業の時期と、人類が未知のウイルスに苦闘する時期が重なりました。時代は誰かが良くしてくれるものではなく、自ら良くしていくものです。私たちは知的資源を、新しい時代の動力にしていきます。