マーケットデザインのビジネス活用(安田洋祐)
マーケットデザインのビジネス活用(安田洋祐)
【講師紹介】
大阪大学大学院経済学研究科教授。学位:Ph.D. in Economics, Princeton University。
専門はゲーム理論、マーケットデザイン、産業組織論。American Economic Reviewをはじめ、国際的な経済学術誌に論文を多数発表。政府の委員やテレビのコメンテーターとしても活動。
主な著書に『学校選択制のデザイン ゲーム理論アプローチ』(編著)、『そのビジネス課題、最新の経済学で「すでに解決」しています。』(共著)、『オークション・デザイン ものの値段はこう決める』(監修)など。
【講師コメント】
市場を与えられたものとして捉えるのではなく、ゼロから設計・構築するもの、または既存市場を大胆に修正するもの、として扱うのが「マーケットデザイン」と呼ばれる経済学の新しい分野です。本講義では、近年急速に発展するマーケットデザインの中でも、お金のやりとりを直接行わない「マッチング」および「割当/交換」の問題について、その基本的な考え方と実践例を分かりやすくご紹介します。今後ビジネスにおいてもますます活用が広まること間違いなしのマーケットデザインを、この機会に一緒に学んでみませんか?
【キーワード】
人事配属・マッチング
【分野】
マーケットデザイン
第1回「マッチングで人材をもっと活用しよう!」
6月12日(木) 21時00分開始
2012年にノーベル経済学賞を受賞した「マーケットデザイン」は、通常の市場と異なりお金を自由に使えない場合でも、望ましい経済取引や契約が実現できる可能性があることを明らかにしました。初回講義では、マーケットデザインを代表する「マッチング」の理論と実践について、人材活用を例に挙げながら紹介します。新入社員と配属部署のミスマッチをどうすれば防げるのか? 同じ仕組みがなぜ公立高校の入試の併願制にも有効なのか? といったテーマについて、ぜひ一緒に考えていきましょう!
第2回「市場からお金をなくすことはできるか?」
6月26日(木) 21時00分開始
マーケットデザインは、人と人・組織のマッチングだけでなく、お金を使えない状況で、どのように財・サービスを人々に割り当てれば良いのか、という「割当」や「交換」の問題にも活用することができます。二回目の講義では、割当/交換の理論と実践について、高額転売が禁止されているチケット市場を例に挙げながら紹介します。お金が使えない状況で、どのように「欲求の二重の一致」問題を解決するのか? さらなる実用化を妨げる潜在的な問題点は何か? といった疑問に、僕自身の最新の研究にも触れながらお答えします!