クリエイティビティの経営学(稲水伸行)
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【運営からのコメント】 低成長が続く経済の中でも成長している企業に共通するのは、クリエイティビティ=創造性です。多くの皆さんがクリエイティビティは伸ばせないと思っていませんか?クリエイティビティは組織を変えることで伸ばすことができます。クリエイティビティを育む要素から、企業でクリエイティビティを伸ばす方法を学びます。
【講師紹介】
東京大学大学院経済学研究科准教授。学位:博士(経済学)(東京大学)。
研究分野は、経営科学、経営組織論、組織行動論。職場の物理的環境や情報技術の導入、人事施策がどのようにして職場の広い意味での成果(生産性やクリエイティビティ)につながるのかについて研究している。過去に、一橋ビジネスレビューで「クリエイティビティの経営学」を連載。主な著書に、『流動化する組織の意思決定』(組織学会高宮賞・著作部門を受賞)がある。
【講師コメント】
人材流動化やハイブリッドワークなどの働き方の変化に伴い、組織のあり方も大きく変わってきています。合わせて、生産性、さらには新たな製品・サービスを生み出す創造性(クリエイティビティ)もますます問われるようになってきています。本講義では、クリエイティビティを育む組織マネジメントについて、最近の研究成果を紹介するとともに、それらの日本企業への適用を議論します。
【レベル】
初級
【キーワード】
管理職・総務・人材育成・マネジメント・社内制度
【分野】
イノベーション・経営学
【この講義で目指すこと】
・創造的な人を産み出す社内文化の理解
・自身のクリエイティビティを養う方法の習得
・通勤とリモートワークでのクリエイティビティの違いの理解
【お薦め】
・チームを率いているマネージャー・管理職
・自身の創造性を高める方法を知りたい方
・組織をイノベーティブな組織に改革したい経営者
第1回「クリエイティビティを育む組織風土」
イノベーションにはクリエイティビティが欠かせません。昨今、多くの企業はクリエイティビティが発揮しやすい環境の整備に注力しています。
クリエイティビティを最大限に発揮するには、金銭的な報酬による動機付けではなく、有能感と自己決定感がひき出す「内発的モティベーション」で仕事に取り組めるような組織風土の設計が重要です。そのために肝心なことには、上司との関係、仕事の裁量権や充分な資源、仕事のプレッシャーなどが挙げられます。
第2回「クリエイティビティを促す社会ネットワーク」
親密な関係を意味する「強い紐帯(繋がり)」は、集団の連帯感や凝縮性を高める点で有効です。しかし、クリエイティビティを促すためには「弱い紐帯」が重要です。「弱い紐帯」は異なる集団の間を結ぶ「ブリッジ(橋渡し)」として、分化した社会を統合し、情報の拡散に役立つからです。
同様に、対人ネットワークの閉鎖性にもメリットはありますが、自分と関係のある複数の集団どうしが繋がっていない状態(構造的空隙)にもメリットが存在します。
第3回「クリエイティビティと働き方(オフィスワークとテレワーク)」
従業員の席が固定していないフリーアドレスのオフィスが増えていますが、働く場所の選択の自由度が高くなるとクリエイティビティの発揮につながると言われます。しかし、ただ自由度を高めるのではなく、活動内容に合わせて働く場所を選べることが重要であるかもしれません。
コロナ禍に広まったテレワークに関しては、オフィスでなくても働けるという感覚が従業員のi-deals(自律性の感覚)を向上させ、クリエイティビティにつながると考えられています。
第4回「クリエイティビティを実現する組織変革」
典型的な欧米企業はトップダウン式の経営を行ってきました。例えば、Microsoft社では大規模な事業転換の度に、トップダウンで事業転換に合わせた組織変革・働き方改革を行ってきました。
一方、典型的な日本企業はボトムアップ式の経営を行ってきました。 クリエイティビティ研究は欧米を中心に展開してきたので、これをそのまま日本に導入することには注意も必要です。今後、日本企業のクリエイティビティ向上に何が必要かを考えていきます。