経済学とデータで解き明かす、ジェンダーギャップ(牧野百恵)

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経済学とデータで解き明かす、ジェンダーギャップ(アジア経済研究所・牧野百恵)

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【運営からのコメント】
「女性はこれが得意で、あれが苦手」というような言説はよく耳にしますが、果たしてそれは科学的なエビデンスに基づいた認識でしょうか。本講義では、ジェンダーギャップやバイアスについて、経済学とデータを用いて解き明かします。

【講師紹介】
アジア経済研究所所属。
学位:博士(ワシントン大学)。
専門分野は、開発ミクロ経済学、人口経済学、家族の経済学、南アジア経済。
パキスタンやバングラデシュ等の南アジアをはじめとした、途上国の女性のエンパワメントや、ジェンダー格差の解消を目指した実証分析がテーマ。
主な著書に、「ジェンダー格差――実証経済学は何を語るか」がある。

講師コメント】
「ジェンダー」とは社会文化的に決められた性別のことを指します。最近の経済学では、ジェンダーにまつわる様々な問題の分析・実証が盛んに行われています。労働市場における男女格差を包括的に研究してきたクラウディア・ゴールディン・ハーバード大学教授が2023年ノーベル経済学賞を受賞し、ますます注目を浴びています。
ジェンダー格差が問題とされる日本でも、経済学が明らかにしてきた様々な知見を活かさない手はありません。本講義では、ゴールディンの研究と関連して女性の就労の変遷のほか、ジェンダー規範や思い込み、また家庭内バーゲニングがジェンダー格差にどのような影響を及ぼすのかについて学びます。

【レベル】
初級~中級

【キーワード】
女性の労働参加、労働市場、男女教育格差、開発経済学、ジェンダー経済学

この講義で目指すこと】
・ジェンダーの問題に気づく目の涵養
・ステレオタイプを排して実証的な視点でジェンダーを捉える力の涵養
・データを読み解く力の涵養

お薦め】
・人事担当、採用担当の方
・ノーベル賞を受賞したゴールディンの研究を知りたい方
・海外のジェンダーギャップの現状を知りたい方

第1回「女性の労働参加のU字カーブ」
インドでは経済成長とともに女性の労働参加が下がり、ILO(国際労働機関)などは「謎」としてきました。ノーベル賞を受賞した、ハーバード大学のゴールディンが200年以上にわたるアメリカのデータで示した女性の労働参加のU字カーブを前提とすれば、インドの現象は「謎」でもなんでもなくなります。
経済学の基本的な概念である労働市場の「所得効果」や「代替効果」についても学びます。

第2回「ジェンダー規範と女性の労働参加」
「男性は外、女性は家」というジェンダー規範が南アジアや中東諸国の女性の労働参加を妨げています。規範を変えることは大変そうですが、意外とちょっとしたことで変化しうるのかもしれません。
また先進国に限れば、ジェンダー規範が弱い国では、女性の社会進出は少子化につながっていません。ジェンダー規範に少子化問題の解決のヒントがあるかもしれません。

第3回「思い込みがもたらす影響」
「女性は数学が苦手だ」「女性は競争が苦手だ」「女性は交渉が好きでない」皆さん、そう思っていませんか?これらはすべて思い込みにすぎないかもしれません。そして、この思い込みが男女の格差を助長しているのかもしれないのです。
この講義では、性別による無意識の思い込み (アンコンシャス・バイアス) やステレオタイプについての問いに迫った実証研究を紹介します。

第4回「家庭における夫婦間の交渉」
交渉(バーゲニング)力は、アウトサイドオプション(そのほかの選択肢)によって決まります。家族の経済学における家庭内交渉のアウトサイドオプションは、典型的には離婚したときに得られる利得です。
この講義では、女性の家庭内交渉力を高めるために重要なことについての研究や、家庭内交渉力の影響を実証した研究を紹介します。を実証した研究を紹介します。